2) ①子供の授業参観(注)に行って驚いたことがあります。先生が、ある問題について「どう思いますか」と質問すると、生徒たちが手をあげ、指された生徒が答えた。次に、「ほかの人は」と先生がきくと、またみんなが手をあげ、別のだれかを先生が指します。すると、その生徒がさっきの生徒と同じことを答えたのです。そうやって次々に何人もの生徒がみんな同じ答えをしました。これには私、びっくりしました。同じ答えならいわなくてもいいのにと思うのですが、先生は②それを期待しておられるようでした。むしろ、別の答えが出てくると困ってしまうのかもしれません。 しかし、無理しても別な答えを出すこと、あるいは人と同じことはいわないことが、大事だと私は思います。クラスが40人いたら40通りの答えがあるべきです。先生には、「( ③ )」と聞いてほしかった。そして、もし出てきた別の答えが間違っていても、それはおもしろいね、とまずほめて、しかし、ここの部分は考え直してみたらどうでしょうとか、ここに無理があるかもしれないと、言っていただけたらと思いましたね。 (山本毅雄『21世紀の本の読み方』岩波書店による)(注)授業参観:教室に入って授業を見学すること
筆者は学校の先生にとうしてほしいと思っているか。
A.生徒が間違った答えを出したらすぐ直してほしい。
B.生徒に人と違う答えを出すことをすすめてほしい。
C.生徒の答えが他の生徒と同じご答えでもほめてほしい。
D.生徒に正しい答えだと思った時だけ答えるように言ってほしい。