文章Ⅰわれわれ日本人は、昔から、空気と水とはほとんどただだと思ってきた。しかしそれも、46これからは、かならずしもそうではなくなろうとしている。現在でもすでに水については、大都市や工業地帯では、ただどころか、水道料金が下水道料金を含めて、急速に高くなっていることに気がつくであろう。水の値段のなかでも、下水処理の占める率が次第に高くなっているのであるが、これは水の問題が単に供給の面だけでなく、自然界を汚染することを防ぐための処理という課題を含んでおり、47これが面倒になってきたためである。要するに、これはきれいな水はただでは飲めなくなってきたことを示すことにほかならない。48空気についてもどうである。大気の汚染を防ぐために、いまたいへんな努力がされている。発電所でも化学工場でも、それを新設する場合、設備費の20パーセントあるいは30パーセントといった大きな費用が、大気汚染防止のために使われる状況になってきた。これが製品の値段、つまり、物価の上昇をもたらすことは、いうまでもない。このことは、きれいな空気もまた、ただではなくなったことを示している。つまり、よりよい生活を求めて努力してきた結果として、物質的な豊かさを享受するようになったわれわれは、同時に、いろいろな困ったことの発生に遭遇して、それらと戦う努力を強いられることになっているのである。このような状況のもとにあっても、なおわれわれは、今後もよりよい生活を求めて努力するにきまっている。しかし、その49「よりよい生活」の内容が、いままでと同じであってもいいかどうか、という大きな問題に直面することになった。この問題の答えは簡単には出て来ないであろうが、われわれはこの答えを求めて努力しなければ、50結局が行き詰まるであろうことは明らかだと思われる。注:行き詰まる/走投无路,陷入僵局問題
「これからは、かならずしもそうではなくなろうとしている」とあるが、それはどういう意味か。
A.水道料金が急速に値上がりしている。
B.空気や水がただでなくなる。
C.大都市では水道料金が比較的安くなる。
D.日本の空気や水は少なくなる。
参考答案:B