第二篇 私は運転免許を持っていない。ほとんどの人は学生時代に取ってしまうのだろうが、当時は車が必要だと思っていなかった。もともと車が好きではないので、免許を取るなどという考えはまったくなかったのである。 (A)、最近免許はあったほうがいいかなと考えている これから、年を取っていくにつれ、もしかしたら必需品になるのではとまで思うようになったからだ。 例えば、出先で買い物をすると、荷物が多くなるときがある。私の場合はほとんどが本なのだが、そんなときに、「ああ、車があったらなあ」とため息をつく。もちろんタクシーは走ってはいるが、うまくつかまらずに町なかをタクシーを求めてさまよい歩くこともある。重い荷物を持ち運ぶとなると、ほしい本も次の機会にとあきらめざるをえない。こんなとき、自分の車があったらどれだけ楽か分からない。 知り合いには五十歳を過ぎて免許を取った男性たちがいる。かれらに免許の話を聞いたら、話が途切れることはない。苦労して取った(B)ので、その喜びはたとえようもないらしく、目が輝いている。 「運転はいいですよ。ぜひ取りなさい。私なんか週末、必ずドライブに行ってます。」と勧められた。「家には居場所がありませんからね、でも車の中は私だけの個室だから」(C)そういう考え方もあったのかと私はうなずいた。
(B)「苦労して取った」とは、だれが苦労して何を取ったのか、次の中から選びなさい。
A.筆者が苦労して車を取った。
B.知り合いが苦労して車の運転免許を取った。
C.筆者が苦労して車の運転免許を取った。
D.知り合いが苦労して車を取った。
参考答案:B