(4)言語は人間に与えられた最上で最良の贈物であって、その贈物の大部分は本を媒介として人間に示されているんですね。本にまさる媒介物は将来も現れないでしょう。ですから、本の運命は厳しいなんてことを言う人もいますが、僕はそうは思わない。断言してもいいんですけど、本は絶対になくならない。本がなくなる時、書記言語のなくなる時です。その時、人間はたぶん別の生き物になっているでしょうね。(井上ひさし「本の運命」による) (注1)媒介:二つのものの間に立って、関係をつけること (注2)書記言語:書かれた言葉
A.本だけが人間の言葉を正しく伝えるものだから
B.人間の使う書記言語はいつかなくなるものだから
C.本の運命が厳しいというのは一時的なものだから
D.本は人間にとって、言葉を伝える最もよい手段だから