文章Ⅰ 「家で本当に料理しているのか」とか、「家では何を作っているのか」とかいう質問を受ける。質問している人に悪意はないのだろうが、46私にとっては妙な質問と映る。私が忙しそうに見えるので、外食ばかりしているのだろうと考えてのことか、男が料理するのがおかしいと思っているのか分からないが、長生きしたいとか健康でいたいと考えたら、自分で作らなければダメだと思う。 と言って私はレストランの食事を否定しているのではない。家庭で作る料理を日常としたら、レストランの料理は 47非日常と位置づけられる。非日常とは芸術のようなもので、精神を保っていくためには不可欠なものである。絵や音楽のようなもので、ないからといって死ぬわけではないが、そういったものに触れているだけで、精神が高揚し、自分の力を今以上に発揮できる源みたいなものになる。 48私はできる限り自宅で食事するようにしている。例えばテレビ局で出されるお弁当も、そこでは食べずに持ち帰り、再調理しなおし、他のものと合わせるなどして食べるようにしている。それは弁当がまずいとか不衛生だとかいうことではなく、自分の好みにしたいということと、その日の栄養のバランスを取るためなのである。カロリー計算には気を使う今時の若い人も、栄養のバランスのことを考えないので、きっと老いてから体はガタガタになるのではないかと心配している。 最近テレビ番組で塩分とか糖分とか油をテーマにしたものが多いが、49とても危険なのは個別にそういったものを考えると、みな健康の敵のようになることだ。塩分、糖分、油分どれを取っても取りすぎは体に悪いが、そのバランスを考えて取れば、どんなものだって人間の生命には必要なものばかりであることを忘れてはならないと思う。 特に極端なダイエットは必ず健康を害するばかりでなく、年齢が高くなって、いろいろ臓器に悪影響を及ぼしてきて実に不幸な人生を送るはめになることを知るべきだ。 問題:
「私にとっては妙な質問と映る」とあるが、それはなぜか。
A.料理は男がすべきだと思っているから
B.忙しいのによく同じような質問を受けるから
C.体のために自分で料理するのは当然だと思っているから
D.料理に関心がないのでまったく料理をしないから
参考答案:C